2022-01-01から1年間の記事一覧

【読書感想文③】坪光生雄『受肉と交わり:チャールズ・テイラーの宗教論』(勁草書房、2022年)

0 はじめに 1 各章の概要と感想 1.1 第一章 「世俗化を語り直す――概念と歴史」 1.2 第二章 今日の信仰の条件――多元主義のポリティクス 1.3 第三章 受肉と交わり――「回心」のゆくえ 1.4 第四章 認識論と宗教史――多元的で頑強な実在論 1.5 第五章 世俗主義の再…

【読書感想文②】坪光生雄『受肉と交わり:チャールズ・テイラーの宗教論』(勁草書房、2022年)

0 はじめに 1 各章の概要と感想 1.1 第一章 「世俗化を語り直す――概念と歴史」 1.2 第二章 今日の信仰の条件――多元主義のポリティクス 1.3 第三章 受肉と交わり――「回心」のゆくえ 1.4 第四章 認識論と宗教史――多元的で頑強な実在論 1.5 第五章 世俗主義の再…

【読書感想文①】坪光生雄『受肉と交わり:チャールズ・テイラーの宗教論』(勁草書房、2022年)

0 はじめに 1 各章の概要と感想 1.1 第一章 「世俗化を語り直す――概念と歴史」 1.2 第二章 今日の信仰の条件――多元主義のポリティクス 1.3 第三章 受肉と交わり――「回心」のゆくえ 0 はじめに 本記事では坪光生雄『受肉と交わり:チャールズ・テイラーの宗教…

【読書感想文】清水晶子『フェミニズムってなんですか?』

1 はじめに 2 本書の構成 3 「フェミニズムとは何か」という問い 1 はじめに 本書は2020年4月から2022年3月までにVOGUEのウェブページにて連載された記事をまとめたもの。2020年から2022年の二年間には、Covid-19の流行や、ジョージ・フロイドの死を受けたBl…

UAPじゃなくてUFO!:『NOPE』(ジョーダン・ピール監督、2022年)

1. はじめに 2. 「古代の宇宙人」 3. UAPじゃなくてUFO 4. 「マンティスマン」 1. はじめに 『ゲット・アウト』、『アス』を見返して、ようやく映画館に『NOPE』を観に行った。予告編で出てきたからネタバレにはならないだろうけど、UFO的な何かがここまで恐…

"Fuck the Police" :『アス』(ジョーダン・ピール監督、2019年)

1. あらすじ 2. Anthem 3. 豊かな「私たち」と周縁化された「彼女/彼ら」 4. Fuck the Police 1. あらすじ ジョーダン・ピール監督による『アス』は、前作『ゲット・アウト』と同様に、ホラー作品でありながら、独特なアイディアを用いて社会的な問題を盛り…

"I'm TS mother fuckin' A." :『ゲット・アウト』(ジョーダン・ピール監督、2017年)

1. はじめに 2. 「沈んだ地」のメタファー 3. 一般的なホラー映画のラストに対する批判的なラスト 1. はじめに 昨日から『NOPE』の公開が始まった。とても楽しみだけれど、観る前にこれまでのジョーダン・ピール監督作品を見返すことにした。 『ゲット・アウ…

依存的な二人の男のロマンティックな関係:『ザ・マスター』(P・T・アンダーソン監督)

1. 『ザ・マスター』の概要 2. あらすじ 3. 依存的な二人の男のロマンティックな関係(※ネタバレあり) 1. 『ザ・マスター』の概要 本作はよく言われているところでは、サイエントロジーという実在の新興宗教をモデルに、その宗教的指導者ランカスター(フィ…

【読書感想文】北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か:不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』

これまで批評理論に関する本で読んだことのあるものは、廣野由美子『批評理論入門:『フランケンシュタイン』解剖講義』だけ。この本は、さまざまな小説技法と批評理論を紹介しつつ、それらを実際に、メアリー・シェリーの古典的名作『フランケンシュタイン…

【読書感想文】賀茂道子『ウォー・ギルト・プログラム:GHQ情報教育政策の実像』

「ウォー・ギルト・プログラム」とは 本書の特徴 ①米国の膨大な一次資料 ②「ウォー・ギルト・プログラム」の包括的な把握 ③「ウォー・ギルト・プログラム」の区分 ④「戦争の有罪性」 プログラムによって問われなかった国民と天皇の有罪性 読んだあとにいわゆ…

【読書感想文】『未来世紀ブラジル』と『バトル・オブ・ブラジル』

映画『未来世紀ブラジル』のあれこれ(※ネタバレを含む) 『バトル・オブ・ブラジル』 補遺:ジル(キム・グライスト)の扱いについて 参考文献 映画『未来世紀ブラジル』のあれこれ(※ネタバレを含む) 『未来世紀ブラジル』は1985年に公開されたディストピ…