読書

【読書感想文】斎藤幸平『NHK 100分de名著 ヘーゲル 精神現象学:分断を乗り越える思想』(NHK出版, 2023年)

0 はじめに 1 『精神現象学』の異様さ 2 本書の構成 3 本書でよいと感じた点と不満点 3.1 よいと感じた点 3.2 不満点 0 はじめに 斎藤幸平『NHK 100分de名著 ヘーゲル 精神現象学:分断を乗り越える思想』(以下、「本書」)は、タイトルから分かるとおり、E…

【読書感想文③】坪光生雄『受肉と交わり:チャールズ・テイラーの宗教論』(勁草書房、2022年)

0 はじめに 1 各章の概要と感想 1.1 第一章 「世俗化を語り直す――概念と歴史」 1.2 第二章 今日の信仰の条件――多元主義のポリティクス 1.3 第三章 受肉と交わり――「回心」のゆくえ 1.4 第四章 認識論と宗教史――多元的で頑強な実在論 1.5 第五章 世俗主義の再…

【読書感想文②】坪光生雄『受肉と交わり:チャールズ・テイラーの宗教論』(勁草書房、2022年)

0 はじめに 1 各章の概要と感想 1.1 第一章 「世俗化を語り直す――概念と歴史」 1.2 第二章 今日の信仰の条件――多元主義のポリティクス 1.3 第三章 受肉と交わり――「回心」のゆくえ 1.4 第四章 認識論と宗教史――多元的で頑強な実在論 1.5 第五章 世俗主義の再…

【読書感想文①】坪光生雄『受肉と交わり:チャールズ・テイラーの宗教論』(勁草書房、2022年)

0 はじめに 1 各章の概要と感想 1.1 第一章 「世俗化を語り直す――概念と歴史」 1.2 第二章 今日の信仰の条件――多元主義のポリティクス 1.3 第三章 受肉と交わり――「回心」のゆくえ 0 はじめに 本記事では坪光生雄『受肉と交わり:チャールズ・テイラーの宗教…

【読書感想文】清水晶子『フェミニズムってなんですか?』

1 はじめに 2 本書の構成 3 「フェミニズムとは何か」という問い 1 はじめに 本書は2020年4月から2022年3月までにVOGUEのウェブページにて連載された記事をまとめたもの。2020年から2022年の二年間には、Covid-19の流行や、ジョージ・フロイドの死を受けたBl…

【読書感想文】北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か:不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』

これまで批評理論に関する本で読んだことのあるものは、廣野由美子『批評理論入門:『フランケンシュタイン』解剖講義』だけ。この本は、さまざまな小説技法と批評理論を紹介しつつ、それらを実際に、メアリー・シェリーの古典的名作『フランケンシュタイン…

【読書感想文】賀茂道子『ウォー・ギルト・プログラム:GHQ情報教育政策の実像』

「ウォー・ギルト・プログラム」とは 本書の特徴 ①米国の膨大な一次資料 ②「ウォー・ギルト・プログラム」の包括的な把握 ③「ウォー・ギルト・プログラム」の区分 ④「戦争の有罪性」 プログラムによって問われなかった国民と天皇の有罪性 読んだあとにいわゆ…

【読書感想文】『未来世紀ブラジル』と『バトル・オブ・ブラジル』

映画『未来世紀ブラジル』のあれこれ(※ネタバレを含む) 『バトル・オブ・ブラジル』 補遺:ジル(キム・グライスト)の扱いについて 参考文献 映画『未来世紀ブラジル』のあれこれ(※ネタバレを含む) 『未来世紀ブラジル』は1985年に公開されたディストピ…